ジャーナル オブ エソロジー

終点の駅が始発の駅でもあるように、僕はこのアルバムである場所に行き着いたとも言えるし、再びまっさらなスタートラインに立ったような気もしている。ここから駅を出て歩き出すのか、電車に乗って揺られていくのか。確かなことは、ここ何ヶ月 かのあいだ、作為的な寄り道を繰り返していたということだ。winter sports rainbowをくぐり、彗星を見上げながら高原を横切り、ミネソタ州の不動産屋で円周率を計り、「巻き戻す時間」を歌う僕をさらに巻き戻し、スローモーションで江ノ島 の海岸からプールへと飛び込んだ(そこでは厨房の匂いがした)。つまり僕は自分を ぐるっとひとまわりして、びしょ濡れのままこの駅に降り立ったというわけだ。たまにふと思うのは、振り返る記憶のなかにだけ、本当の自分が住まって生きているのではないかということだ。だから僕は何度も振り返ってしまう。ときには生まれた町へと旅に出て、戻って来てはまたびしょ濡れの姿で詩を書いている。そうやって僕はこのエソロジーを作りあげた。だから何度も曲中に雨が降る。冒頭で彼はまず「明るい気分と共に目を覚ます」。
どうやらヒントはこのアルバムの中に隠れているらしい。僕が何処へ向かえばいいのか、しばらくこの駅で聴き返しながら考えてみようと思う。

HARCO/青木慶則


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