ウィッシュリスト
2006.03.27
大型のネットショッピングサイトにいくと、今ではどこにでもウィッシュリストというコーナーがある。買いたくてカートに入れてしまいたいけれど、まだ お気に入りの段階にとどめておこう、とか、いつか誰かにプレゼントしてもらうのを待とう、そんな状態で置かれている「モノ」たち。彼らは市場に放置され たわけではなく、誰かの家に招かれたわけでもなく、「ウィッシュリスト」というガラス張りの小さな部屋に通されたまま、本当の出番をただひたすら待っているのである。
僕のこの言葉に対する愛着は、とあるサイトの「欲しいもの一時取り置きコーナー」に付いた愛くるしいネーミングから余所見が出来なかった結果なのだ。それにしても、 その後こんなに普及していたとは知らなかった。
もともとは欧米の風習で、欲しいものをそのリストに書いておけば、それを見た友人がお祝い事のときなどにそこからチョイスしてプレゼントしてくれる、 というもの。日本でもなんとなくその風習は根付いていて、例えば誕生日などはたいていプレゼントをあげる側が選んだりするものだけど、いざ結婚するとな ると急に「何が欲しいか言って!」と突撃インタビューされたりする。そこですかさず「ルクルーゼの鍋」とか「ティファールの勝手に沸騰してくれるやつ」 とか「アラジンのえ〜と、あれ、なんだっけ」とか素直に言えればいいのだがついつい照れてしまう。
もしかしたら、これはそんな恥ずかしがり屋さんのためのリストなのかもしれないが、子供からしたらサンタさんに毎日手紙が書けるようなもの。たとえ子供でも大人でも、欲し いものはオンデマンド方式でいつでも自発的に手に入れる、そんな現代の価値観の象徴でもあるのだろう。(それが人のお金でもかい!?)
でも願い事ってやはり「モノ」だけじゃないわけでしょう。言ってほしい言葉だったり、もうちょっと上乗せして欲しいサラリーだったり、旅立ったままの 帰ってきてほしい猫だったりするわけで。
実はウィッシュリストの語源のひとつに「(紙に書かない)願い事のリスト」というのがあって。メモ魔の僕からしたら本末転倒。しまった!欲しいものを しょっちゅう色んな紙に書いてしまっている。例えば神社でお参りをして「なんておまじないした?」って聞かれて「え〜、でも人に言ったら叶わなくなるん でしょ」というくだりがよくあったりするけど、あれと一緒で、人に迂闊に公言してしまうと願いは叶わなくなるんじゃないかっていう恐れは、きっと東洋にも 西洋にも等しく存在しているのだろう。
じゃぁ僕らは金輪際、願い事を胸にしまっておくべきなのか、それとも主張を繰り返して運を呼び寄せるべきなののか。つまりウィッシュリストには2つの書き方が あるんだなぁ。こうなるともう、人によりけりでしょう。不言実行も日本男児な感じで渋いけど、僕はなんでも口に出してしまうタイプ。願いが叶っていく過程を初めから見届けてほしいし、叶わなかった夢も誰かに両手ですくい取って少しだけ見つめてもらいたいのだ。






